【エルデンリング考察】レナラの子供の歌詞【翻訳記事】
皆様ごきげんよう。梅雨明けが待ち遠しいこの頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。昨今では『エルデンリング』楽曲の歌詞は意味をなさないと話題に上がりました。その世界観の手がかりを巡って激論が行われ、その説を提唱するユーザーによるとラテン語で歌われている楽曲はただひとつ。ハーピィが歌う「Song of Lament(嘆きの歌)」のみだったとか。そこで今回の記事は英語で歌われている幼年の魔術学徒の歌について考察していたVaatiVidya氏の動画の一部を翻訳した記事となります。
はじめに
魔術学院レアルカリアには大ルーン持ちの一人、満月の女王レナラが座しています。カーリア王家の女王にして偉大な魔術師、そして英雄ラダゴンの妻であったとされる彼女との戦闘に前半では幼年学徒を交えた戦い。その後ありしの姿のレナラ単体で戦うことになります。その緒戦に幼年学徒が歌を歌っていますが、なにを歌っていたか気になりませんか?戦闘が忙しく、聞き取りづらいので声の音声だけを切り抜くと、こういった風に聞こえます。
幼年学徒の歌の歌詞
Sleep tight, bound tight
by Mother's amber
Sleep tight, find life
in Mother's umbra
幼年学徒の歌(エルデンリング)
ぐっすり寝なさい、固く抱き締められながら
母様の琥珀より
ぐっすり寝なさい、生命(いのち)を見つけて
母様の本影より
日本語訳:幼年学徒の歌
(元が詩であるゆえに翻訳が難しく、韻を踏んだ言葉遊びや語感の良さは筆者の翻訳能力では力不足だったので、意味が伝わるレベルの翻訳だとご了承下さい。)
第一節
第一節に歌われている”Mother's amber"とは、女王レナラが持っている「琥珀のタマゴ」のことでしょう。それはかつての夫ラダゴンから授かり、中には「生まれなき者の大ルーン」を宿しています。レナラはそのタマゴで幼年学徒を繰り返し生まれ直していることが以下フレテキから分かります。
レアルカリアの長たる女王レナラ
その琥珀のタマゴにより産まれ直した
幼年の魔術学徒たちの帽子しかし、その産まれ直しは完全ではなく
彼らはそれを、ずっと繰り返し
いつかそれに依存してしまう夜眠り、朝目覚めるように
彼らは産まれ直し、すべてを忘れいく幼年学徒の帽子
「夜眠り、朝目覚めるように」とあるように、この歌は子守唄のような形容をとっているのではないと思われます。
第二節
第二節に出てくる単語の"Umbra"とはどんな意味でしょうか。辞書を引いてみると、以下の様なことが書いてあります。
umbra
1. 陰
2. 【天文】
a) アンブラ、暗影部《太陽黒点の中央暗黒部》
b) 本影《月食のときに太陽の光がまったく当たらない地球・月の影の部分》
weblio 新英和辞典
このように、本来は陰という意味だけですが、満月の女王たるレナラの立ち位置を鑑みて考察すると「本影」の意味ではないかと推測します。
本影は皆既月食に於ける最も暗い部分であり、すべての部分が本影に入る場合は皆既月食。一部分だけが本影に入る場合を部分月食といいます。すなわち本影とは月の影の部分であり、満月の女王の陰から生まれる彼女の子供は詩的な響きがあります。幼年学徒は月の影の中より生まれ変わるのです。
最後に
ここまでが、Vaati氏の動画の翻訳となります。この歌詞は英語圏では聞き取りの齟齬で討論が行われていることはまだ見かけていないので、暫定的には正しい情報として考察する価値があるかもしれません。そして、この解釈は絶対的に正しいものではなく一例だということをご理解いただければ幸いです。
補足
ここからがこの記事を書くに至ってVaati氏が提唱する説に対して私の理解が及ばなかったことの補足となります。
まず、Umbraの解説図が出ているときには皆既月食(Lunar Eclipse)についてVaati氏は語っているのですが、この画像は皆既日食のものかと思われます。皆既月食の図は以下に
上記のように、地球の影が月を覆ったときに起こるのが月食であり、Vaati氏が提唱している「月の影」たるものは皆既月食では(地球にいる限り)見えないと思われます。本影とはすなわち天体の影であり、月食では地球の影で、日食では月の影の影響で起こる現象かと思われます。皆既日食であれば本影の説は筋が通っているので、言い間違いがあったかもしれません。
参考資料